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腫瘍外来

腫瘍外来について

子宮鏡検査とは

卵管鏡下卵管形成術(Falloposcopic Tuboplasty: FT)

卵管鏡手術のメリット

腫瘍外来(子宮鏡検査・卵管鏡下卵管形成術:FT)診療日

腫瘍外来(子宮鏡検査・卵管鏡下卵管形成術:FT)について

腫瘍外来では、子宮内膜症子宮筋腫などの不妊治療の合併症の診察を受けていただけます。腫瘍外来にて子宮鏡検査を行うことにより、粘膜下筋腫・内膜ポリープ・子宮奇形・その他着床障害や流産の原因を更に精査することができます。子宮鏡の所見により、腫瘍の治療が必要か否かを判断していきます。また、腫瘍の治療について相談(セカンドオピニオン)いただくことも可能です。

腫瘍についての治療が必要と判断された場合は、特殊外来の診察医師である中山医師による静岡厚生病院での手術の他、ご希望に応じて他施設への紹介を行います。

日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医の資格を持つ中山医師は、腹腔鏡・子宮鏡などの内視鏡を得意分野とし、所属する静岡厚生病院の他、他病院からも術者として招かれ多くの手術を執刀されています。

子宮鏡検査とは

子宮鏡の内視鏡(ファイバースコープ)

子宮鏡検査は直径3.8mmの内視鏡(ファイバースコープ)を用いて、子宮内腔を直接観察する検査です。超音波検査等では判然としない、子宮内腔の状態を観察します。また子宮鏡検査により、はじめて不妊症や不育症の原因が診断できることがあります。

子宮鏡検査の対象疾患

子宮鏡検査の対象疾患

下記の子宮内の疾患は不妊症の原因となりえます。子宮鏡検査では正確な状態の把握が可能です。

・子宮内膜ポリープや子宮内膜増殖症

・子宮粘膜下筋腫

・中隔などの子宮奇形

・子宮腔癒着症

QAリスト

Q:痛みはありますか?
A:子宮鏡は細く柔らかいため痛みを感じることは少なく、通常麻酔は不要です。生理食塩水を子宮内に注入する際に、若干の痛みを感じることがあります。
Q:時間はどの程度かかりますか?
A:検査に要する時間は5〜10分程度です。

卵管鏡下卵管形成術 (Falloposcopic Tuboplasty: FT)

はじめに

不妊症の原因(卵管因子)

卵管は卵巣から排卵する卵子を卵管采で回収し、蠕動運動にて子宮側へ運搬する一方、卵管膨大部で受精、そして約1週間にわたる胚成長のための生殖環境を提供するといった重要な役割を担っています。

卵管が閉鎖(卵管閉鎖)したり癒着(卵管癒着)を起こしたりすると、卵子や精子、受精卵が卵管を通過できない状態となり、不妊の原因となります。一般的に、女性不妊に占める卵管因子(卵管が閉塞していることが原因の不妊症)の割合は約30%前後と、高率であると報告されています。

卵管鏡手術とは

卵管閉塞(卵管因子が原因)と診断された場合には、閉塞や癒着を解除する手術ないしは体外受精が選択されます。手術法としては、子宮内膜症や卵管炎などによる癒着が原因である遠位卵管閉塞(卵巣に近い部位での閉塞)に対しては、腹腔鏡手術による癒着剥離や卵管采形成術が、近位卵管閉塞(子宮に近い部位での閉塞)に対しては、卵管鏡下卵管形成術(Falloposcopic Tuboplasty: FT)が行われます。

卵管鏡手術の適応

  1. 近位卵管(卵管間質部から峡部)に、閉塞や狭窄を認める方
  2. 比較的若年の方(38歳以下)
  3. タイミング療法や人工授精による妊娠が期待される

*卵管膨大部に閉塞や狭窄を認める場合、体外受精や腹腔鏡手術が望ましいです

*39歳以上の方は、FTによる妊娠率が高くないため、適応とならない場合があります

治療効果

  1. 卵管開通率は90%以上
  2. FT後の妊娠率は30%程度

*年齢や卵管閉塞の原因により、効果が異なります

*閉塞解除が困難な場合、再閉塞が起こることもあります

*術後6ヶ月を経ても妊娠成立に至らない場合、体外受精へのステップアップが必要です

卵管鏡手術のメリット

卵管鏡手術のメリット

卵管鏡下卵管形成術(FT)は、特殊なバルーンカテーテルシステムを用いた低侵襲手術です。太さが0.6mmという非常に細い卵管鏡(ファイバースコープ)を用いて、卵管内の狭窄、閉塞した部位を拡張する手術です。特殊な機械と技術を要する手術のため、実施可能な施設が限られますが、一方で低侵襲であり、術後の痛みや出血がほとんどないこと、健康保険や高額療養費制度の適応になることから、現在注目されている手術です。

卵管閉塞と診断をされた場合、体外受精が選択される傾向にありますが、FTによる卵管開通率は90%以上、妊娠率は約30%と報告されており、自然妊娠を希望される多くの患者さんが適応となります。

実際の手技

卵管鏡手術の実際

@子宮鏡ファイバーにて、子宮内腔面や卵管口を確認します。

A子宮内にFTカテーテルを挿入します。

B卵管口からバルーンカテーテルを挿入します。このときバルーンの中心には卵管鏡があり、卵管内腔を確認しながら、バルーンに圧をかけながら、閉塞部位の拡張を行います。

C開通した後は、バルーンを引き戻しながら卵管内腔面を観察していきます。 手術時間は30分〜1時間程度です。

*当院では子宮鏡を併用した新しい手技にてFTを行っております。この手技を行うことにより、子宮内腔の観察も可能となるほか、確実に卵管内にバルーンを進めることができます。

*子宮筋腫や子宮内膜症を合併する場合には、腹腔鏡手術に併用する場合もあります。

*局所麻酔や静脈麻酔では、十分な鎮痛が得られない場合もあり、全身麻酔下で行うこともあります。

卵管鏡手術の手技

卵管鏡手術の限界

FT は体外受精の代替治療となりうる治療方法であると考えられています。ただしその効果は永続的ではなく、手術後6〜8カ月を過ぎると、妊娠率が低下します。FT を施行後6カ月程度は、タイミング療法や人工授精を試みますが、それでも妊娠に至らない場合には、再度FTを行うか、体外受精へのstep upを考慮します。

卵管鏡手術費用

  1. 保険適応があり、自己負担は費用の3割となります。
  2. 高額医療費の対象となります。事前にて限度額適応認定書を申請の上、ご提示いただければ、限度額までのご負担となります(なお限度額は、所得により異なります)。
  3. FTにて卵管疎通性が改善されない場合にも、費用は発生いたします。
  4. 民間の任意保険の支払い対象となります。詳細はご契約されている保険会社とご相談ください。
  5. 詳細につきましては、静岡厚生病院産婦人科外来事務までお気軽にお尋ねください 。

腫瘍外来(子宮鏡検査・卵管鏡下卵管形成術:FT)診療日

担当医師中山毅医師
診療日 毎週火曜日(9:00〜12:00)
予約方法インターネットでのご予約が可能です。

※日時に変更がある場合があります。ご予約の際にご確認をお願いします。

不妊治療 俵IVFクリニック

〒422-8066 静岡県静岡市駿河区泉町2-20

Tel. 054-288-2882 [ 地図はこちら ]

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