ピルの処方
ピルの処方について
ピルとは、エストロゲンとプロゲステロンの2つの女性ホルモンが配合された経口避妊薬です。排卵を抑え、月経をコントロールできることから月経困難症や子宮内膜症の治療、過多月経の軽減に役立っています。それ以外にもPMS(月経前症候群)の軽減、月経不順の改善、ニキビの改善などにも効果的です。わが国では、避妊目的で使用されるものをOC(Oral Contraceptive)、月経困難症や子宮内膜症の治療に使用されるものをLEP(Low dose estrogen-progestin)と呼んでいますが、どちらも一般的には低用量ピルという名前で知られています。

月経移動ピル
大切な予定と月経が重なりそうなとき、「月経移動」という選択肢があります。ピル(ホルモン剤)を短期間服用することで、結婚式や面接、試験などの大切な予定、旅行や温泉、スポーツ大会などのイベントの際に月経のタイミングを早めたり遅らせたりすることが可能です。
服用する薬の種類(中用量ピル、低用量ピルなど)やスケジュールは、月経の予定や体調に合わせて医師が判断します。
月経移動の方法とスケジュール
月経を遅らせたい場合
中用量ピルを月経予定日の5日程前から服用します。服用中は月経が来ず、服用終了後2〜6日で月経が始まります。

月経を早めたい場合
月経予定日より1か月以上前から準備が必要です。前の月経が始まった直後から低用量または中用量ピルを服用し、月経を早めることが可能です。服用終了後2〜6日で月経が始まります。イベント期間中にピルを内服する必要がない点がメリットです。
※早める方法は、予定に余裕がある場合にのみ可能です。お早めにご相談ください。

月経移動の費用について
初診(エコーなし):5,500円(税込)
初診(エコーあり):11,000円(税込)
※月経移動は自費診療となります。
ご相談時にお伝えいただきたいこと
- 最終月経の開始日
- 次回の月経予定日
- 月経を避けたい日程
イベントから1〜2ヶ月前など早めの受診・ご相談がおすすめです。ご不明点があれば、お気軽にお問い合わせください。
副作用
副作用について、開始してしばらくの間は、不正出血や悪心などの症状がみられることがあります。また、重篤な副作用として血栓症が発症するリスクがあります。このことから服用中は、定期的に受診をする必要があります。当院では、ピルについて分かりやすくご説明し、リスクについてもしっかりお伝えした上で患者さんにあったピルを処方しております。お気軽にご相談ください。
血栓症を疑う症状
ピルを服用中に以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関へご相談ください。
- 激しい腹痛、胸痛、息苦しさ、
- 押しつぶされるような胸の痛み
- 激しい頭痛、めまい、失神
- 視野の変化、舌のもつれ
- ふくらはぎの痛み、むくみ、手足の痺れ
ピルを服用できない方
- 乳がん、子宮がんに罹っている方
- 初経発来前や閉経後の方
- 高血圧や糖尿病、肝機能障害のある方
- 妊娠中または授乳中の方
- 喫煙者(35歳以上で1日15本以上の喫煙)
- 前兆を伴う片頭痛などのある方 など
詳しくは、医師にご相談ください。