◎河村由美さん
さて、今週は「不妊症とは？」といったことを伺っていきたいと思います。出産を望まれてもなかなか子供に恵まれず不安を感じる方がいらっしゃいます。どれ位の期間を過ぎた場合に"不妊"ということになるのでしょうか？

◎俵史子院長
正確な定義があるわけではありませんが、子供が欲しいと思って1年以上経過しても妊娠に至らない場合、「不妊症」を疑ってみる必要があります。なぜなら、妊娠を希望するカップルの80％が1年以内に、90％が2年以内に妊娠するといわれているため、妊娠しない期間が長くなればなるほど不妊症である可能性が高くなります。

◎河村由美さん
不妊に悩むご夫婦の割合は過去と比較して増えているのでしょうか？

◎俵史子院長
1980年に35歳以上の母親の出産は、全体の4.2％でした。それが2013年では26％と、30年足らずで約5倍以上に増加しています。女性の社会進出や晩婚傾向など、女性の妊娠出産年齢に関わる環境が大きく変わったことが影響していると思われます。実は、女性の年齢と妊娠には大きな関係があります。年齢が高いほど妊娠しにくくなるため、妊娠を希望する方の年齢が高くなるということは、それだけ不妊の割合が増えるということにつながります。

◎河村由美さん
年齢が若い夫婦でも不妊になることはありますか？

◎俵史子院長
クラミジアなどの感染による卵管の異常や、月経痛の原因となる子宮内膜症による不妊症は、若い方でもよく見られます。また、男性側の精子の異常も、年齢に関係なく認められる不妊原因です。

◎河村由美さん
「不安を感じているが、クリニックに相談するきっかけがつかめない」という方に、何かアドバイスはありますか？

◎俵史子院長
不妊症の原因を見つけ、正しい治療を決定するためには、専門知識が必要です。不妊専門クリニックというと、高度な治療しか行っていないのでは?と思う方もいらっしゃいますが、基本的な検査や自然妊娠を期待しながら行う一般不妊治療も積極的に行っておりますので、まずは気軽に相談をするといいと思います。